2003年09月11日
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古いパソコン、というよりマイコンのレプリカ販売の意義と、それにまつわる問題

Written By: 川俣 晶連絡先

 ちょっと嬉しかった記事を発見しました。

『アップル1』のレプリカ、ウォズニアック氏の承認を得て販売へ

https://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20030910204.html

 古いパソコンを収集、保存する活動というのは、少数の有志が行っています。うちにも何台か、今となっては貴重なパソコンがあります。ほとんどは、捨てられそうなものをタダでもらったり、ジャンク屋や中古屋で安く買ったりしたものですが。

 それとは別に、エミュレータという方法があります。ハードは現在のパソコンを使い、昔のパソコンをエミュレーションするという方法です。これだと、貴重なハードを持っていなくてもソフトを体験できるため、比較的ハードルが低くなります。(ROMの著作権の問題はありますが)

 この2つの方法がビンテージパソコンを楽しむ方法の全てかと思っていたら、第3の方法がありました。

 それが、この記事が示している、レプリカの開発と販売です。

 おそらく、実際にハード的に動く現物を作ることは、膨大な手間が掛かるため、他の方法に比べてハードルが極めて高いと思います。しかし、ひとたび実現すれば、誰でも金を出せばそれを買って動かすことが可能になります。これは、とてもエキサイティングなことですね。

 しかし、気になるのは、やはり、知的財産権の問題です。この記事でも、アップル社から回答が得られなかったといいます。既に商品価値が消滅しているものを、文化的な観点から保存、再現していく活動には、それなりのルールを設けて対応しても良いと思います。そのような意味で、どうもアップル社も今ひとつ文化的では無いかな、という印象がしないでもありません。

 逆に、スパッと回答を出したというウォズニアック氏はさすがですね。アップルを立ち上げた二人の英雄のうち、個人的にジョブスという人はあまり評価していません。しかし、ウォズニアック氏の方は、あまり良くは知りませんが、尊敬に値するような気がします。ウォズニアック氏がいた頃のアップルという会社は、夢やロマンを見るに値したような気がします。

 (だからこそ、アップル1のレプリカに興味を惹かれたりするわけです。これが、iMacだったら、こんなに興味は感じないところです)